山に登っているといつかは出会うかもしれない怪我人や急病人者。そんな時に少しでも役に立てばということで、日本赤十字社が開催している救急法の講習に参加してきました。
救急法とは
病気やけが、災害から自分自身を守り、けが人や急病人を正しく救助し、医師や救急隊に引き継ぐまでの救命手当・応急手当を行うための知識と技術を学ぶ講習です。
講習には基礎講習と養成講習があり、基礎講習は丸1日。養成講習は2日間かかります。基礎+養成講習のセット3日間というのもありますが、開催日が不定期で、ほとんど開催されていないようです。
基礎講習で学べるのは「心肺蘇生」「AEDの使用方法」「気道異物除去」。
養成講習では「急病の手当て」「止血」「三角巾の使い方」「怪我・傷の手当」「骨折の手当て」「搬送」について学ぶことができます。
基礎講習を修了すれば、養成講習を受けることが出来ます。
救急法基礎講習について
私が講習を受けたのは日本赤十字社 東京都支部です。東京支部は副都心線「東新宿駅」B1出口の隣にあります。
講習時間は10時~16時でお昼休みが1時間です。
午前の部
まず始めの1時間は座学です。配られた参考書に沿って「赤十字とは」から始まって、この後にやる実技の流れを学びます。
座学が終わると2人1組でバディを組みます。で、「30秒あげるから自己紹介して」と言われる。短っ!名前言って終わりです。
そして、ことあるごとに「バディ!」と指導員が叫ぶので、そのたびに「オー!」といってハイタッチをします。初対面の人となので少し恥ずかしいですが、すぐ慣れました。
続いて、救助者役と傷病者役に分かれて、
・意識の確認
・呼吸の確認
・脈拍の状態観察
・手足を動かせるかの観察
・体位置換
・回復体位
を行っていきます。
呼吸の確認では、手のひら一枚くらい近くまで顔を近づけるので、前日にニンニクを食べた人はブレスケアを飲んでおきましょう。
次に4人1組のチームを組みます。そして傷病者を毛布で保温する方法を10分ほどでサッと終わらせます。
この時点で、まだ2時間しか経っていません。濃いですね。
ここで1時間のお昼休みに入ります。
午後の部
午後は先ほど組んだ4人のチームで修了試験の内容となる心肺蘇生から始めます。
お馴染みの胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸です。
胸骨圧迫は実際やってみると意外と大変で、すぐに汗が滲んできます。男性の場合は体重を使って胸骨を押し込めますが、女性の場合は、体重が軽いので体全体を使って圧迫しなければならず、かなり大変そうでした。
人工呼吸は、キューマスクというものを使用します。これは空気が逆流しないようにするのと、感染予防のために使う道具です。まぁ、普段は絶対持っていないものなので、実際は胸骨圧迫だけでも問題ないそうです。
4人に役が振り分けられ、「救助者」「傷病者」「119番通報する人」「AEDを持ってくる人」の役を交代で回していきます。
これがもう忙しい!忙しいったらありゃしない。
傷病者発見→状況確認→傷病者状況確認→意識確認→協力者への指示→呼吸確認→心肺蘇生→AED届く→傷病者状態確認→AED装着→電気ショック→心肺蘇生→救急隊へ引継ぎ
これに条件がついて、傷病者が水に濡れていたとか、胸にペースメーカーが入っていたとか、貼付薬剤が貼ってあったとか・・・もう何がなんだか分からなくなります。
でも、指導員の人が良く見ていてくれて細かくアドバイスをくれたりするので、回数をこなしていくと次第に慣れてきました。
修了試験は条件無しなので、練習と同じようにやってれば普通に合格できます。80点取れれば合格だそうですので、相当適当にやらなければ不合格は無いでしょう。
ちなみに私はAED装着前の「確認よし!」を忘れました。はい、減点!
次は気道異物除去の方法を学びました。
背中を叩く背部叩打法とお腹を突き上げるハイムリック法。
ハイムリックは内蔵を傷める危険性があるため、実技をするのは背部叩打法のみ。
これで全ての実技が終了です。
最後にペーパーテストがあるんですが、これは実技の内容に沿った問題なので、ほとんどの人は満点を取れるでしょう。
採点はその場で自己採点。緩いです。
認定証は1ヶ月ほどかかるそうなので、養成講座を受けるのは7月になりそうです。
※2016年7月1日以降の基礎講座認定証は即日発行になるそうです。
まとめ
なぜ、私が赤十字社の基礎講習を受けようかと思ったかといいますと、単独で山に登ることが多いため、何かあったときに自助能力が必要だなと思って「何か講座みたいなものはないかな?」と探していました。そこで赤十字社の救急員養成講習を見つけ、その内容が私の欲しい知識とピッタリでした。しかし、それを受けるには基礎講習の修了が条件だったので、仕方なく申し込みました。
しかし、基礎講習を実際受けてみると非常に濃い内容で、思った以上に役に立つ知識が詰まっていました。これがたったの1,700円で受けられるのは凄い。さすが赤十字!
覚えておいて損はないものなので、是非参加してみることをオススメします。
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